さかだち日記 特別編

2018年12月14日 金曜日

平成最後の12月もすっかり折り返し地点直前になってしまった。
さかだち日記として始めたからにはアルコールを絶たないと!という気迫は微塵も感じられないさかだち日記は、想定の範囲内に継続性が無く蓋然的(がいぜんてき)に飲酒だ。
そう、さかだち日記としたのにさけ絶てないじゃん。
社会的な責任も感じないのでどおでもいいと思っている、言い訳なんだけれどね。
そう言って難しく表現さえすれば多少は利発なイメージがありそうだけれど、もう大人だから発達はしない。単に漢字含有率を高めとけば偉そうになると思い込んでるだけだ。

僕は昭和生まれだ。当然のことながら同世代も昭和だ。
平成最後の12月となっても最後感が無いのは、昭和時代のインパクトが大きいからなのかもしれない。
昭和時代。戻りたいと思わないし懐かしさは感じない。
どおやら同世代の諸君はそうではないらしい。
懐かしの外国アーティストが来日するとチケットは東京ドームだろうとナゴヤドームだろうと即完売。そして追加公演決定。
僕のSNSにはそのコンサートチケット買えた!行った!最高!という投稿ばかり。
昭和世代は常に上昇志向で自分の思い描いたとおりにしたい人ばかり。

拘り(こだわり)は強張り(こわばり)の基となって、周りに趣味や好みを強要する同世代の人が徐々に増えてきた。昭和時代はオジサン的世代だからか。

さかだちを試みたのはそんな理由もあっての事だったのだけれど、一度アルコールの魅力とりわけワインに魅了されてしまうとなかな抜け出せない。
ワインは当然のことながらワインバーで飲むことがほとんど。
稀に居酒屋でワインを飲むときは、他の飲み物にグルテンが入っているときくらい。
ワインは心だけではなく人格さえも失うくらい酔わせるようだ。
昭和世代の人たちは、酔った時の行為のほとんどをアルコールのせいにして許されると思っている。

今年はそういった昭和世代にバーで絡まれる年のようだ。

酔人はグルテンなんてものは気合で乗り切れると信じている。
酔人は相手の言動が自分の思うとおりに行かないと、考えを強要してくる。
酔人は挙句の果てに恫喝する。
酔人は己の理不尽さを神棚より高い天井裏まで上げて僕を叱責する。

「いい機会なんだよ、竜。そういうのとは距離を置くんじゃなくて断交するんだよ」
「でも、いい人だし、いずれはそういった行為に気付いて変わるんじゃない?」
「そんなことないと思うよ。自分の評判も落ちちゃうよ奈落に」
奈落に落ちたら骨折ですむだろうか?
救急車とか呼べるのかな。
一晩考えて、奈落に落ちるのは痛そうだし、自ら落ちるは相当な阿呆だな。
阿呆と呼ばれたくないし、評判なんて毎日びくびくしながら生きている臆病者の僕にとっては一番気になる格付けだ。

断交だ。
いい言葉だ。また一つ平成最後の思い出が出来た。

さかだち日記 第35日

しばらくさかだち日記から遠ざかっていた。
言い訳はこうだ。
酒を飲んだ、翌朝頭が痛くなった、脳が疲れている、画面がまぶしい、くらくらする、PC向かう時間を減らしたい、仕事が滞る、ブログを書かない。
言い訳ね、言い訳。

さかだち日記に飲酒記録を掲載しよう。
9月14日
泡1杯、白2杯、赤5杯(ラ・ファミーリア)
赤2杯(ワインバーパルメ)
翌日頭痛

9月16日
グルテンフリービール2本、日本酒3号(自宅)

9月17日
グルテンフリービール1本(自宅)

9月19日
赤4杯(ワインバーパルメ)

9月20日
泡5杯、赤4杯(ラ・ファミーリア)

9月25日
泡1杯、白1杯、赤3杯(バルデエスパーニャ ムイ)
ハイボール2杯(築地海鮮市場 丸の内南口店)

今朝も頭が痛かった。
月に1度の目標がこの結果。

アルコールを抜くと蕁麻疹も減るし体調がすこぶるいいのだけれど、飲んだ翌日はひどい頭痛と倦怠感が待っているので、やはりさかだちは続けよう。
まあ、この履歴から見ると「さかだち気分」だな。

さかだち日記 第29日

飲んだ。まあそんなもんか。

2018年9月10日

先週金曜日に飲んだ。
言い訳じみた理由を打ち明けると、友人のイタリア出張の画像を取りに行くついでに飲んだ。

泡、泡、赤、赤、赤。
人間の癖は怖い。次の店に移動してしまった。
赤、さんま、赤、赤・・・
だったと思う。
翌日、なぜか二日酔いだ。
このくらいなら全く二日酔いなんかにならなかったのに、人間の身体は面白いもので、翌日は二日酔い特有の頭痛が一日中頭に張り付いていた。
更に、腹が空く。これでもかって位に腹が空く。
昼から、ビーフシチューを2杯、さらに玄米を入れて煮込んでリゾット風で2杯。
更に、グルテンフリー食パンを4枚。
1日で2キロも体重が増加するはずだ。

預かった画像と動画で編集を終えたのだけれど、DVDに焼くのが今時ではなくて結構面白い。
最新のツールでは焼けないのでアプリをダングレードしたり、古いアプリをインストールしたりしておいて焼く。そう延焼するのではないのだが焼く。

焼いたら渡さないと。
それがまた鬼門なんだよな〜

さかだち日記 第26日

2018年9月7日

事あるごとに記念日を作り、記念日という理由で酒を飲む。

もう26日もか。
いや、日常的な飲酒をやめただけですよ。断酒なんてできる訳ない。
正確に数えると26日目なのだけれど、日数を稼ぐためにしているのでもなく、何のためにしているかという、立派な大人のような明確な目的も数値的な目標もないまま、なんとなく続いている。
目標というとサラリーマン時代に感じたのは、凄く短期な目標管理が多く、それに限定して厳しくて、その数値管理が統計的、行動科学的に出鱈目なのをひっそり見抜いてしまって、誰にも見えない心の死角で笑っていた。数値管理をしていると管理している錯覚に陥るのだ。
一般的なサラリーマン管理職の目標管理の考え方がとても興味深い。
三カ月で出る実績、半年で効果のある改善などばかりだ。
ちょっと待てよ、身の回りにも似たような現象が沢山あるな。

夏までに飲むだけで5キロやせる!
飲むだけで下がる血圧サプリ
速攻旨い電子レンジだけで作る激うま時短レシピ!

その中でも、絶好調に売れ続けてそうな「聞くだけで覚える英会話。」
お願いします!って頭を下げ続けると売れる商品みたいなキャッチフレーズが面白い。

何かを覚えるのに、行動を一つに限定しては達成できないんじゃないかな。
見るだけで覚える編み物シリーズ、嗅ぐだで分かる空気の読み方。
何故か英会話となるとヒヤリングが苦手っていう人が多いので、聞くだけで・・・にフォーカスを当ててみたら売れちゃったんだろうな。すごいな。
「だけで」シリーズを横展開しないところを見るとやっぱり無理があるんだろうな。
飲むだけで作り方がわかるビール醸造法。
食べるだけで分かるイタリアン料理法。

僕は中学生のころから少しだけドラム、そう楽器のドラムにはまっていて、毎日のように練習していた。中学生の考えは単純でそのままバンドを組んでライブハウスとかで演奏したりするのだけれど、ドラムの立ち位置をだんだん理解するようになる。

座っている立ち位置だけに、全くと言っていいほど目立たない。目立たないからモテない。ギターとかボーカルにはそれなりにファンがいるのだけれど、ドラムの僕にはファンがほとんどいない。性格の問題ではない。と思う。
そこで、ギターを演奏してみたくてギターを親にせがんで買ってもらう。
アンプも買ってもらう。ギターを弾こうとする。
ドラムが出来てしまうので、ギターに対する情熱よりも自在に操れる近所の達成感という魅力に引き込まれて、すぐにピックから指が離れてドラムスティックを握ってしまう。だって出来ちゃうから仕方がない。

結局のところ、ギターで出来るのはその当時であれば誰もが弾いた「スモークアンドウォーター」の初っ端だけ。簡単だからね。
結局見ているだけでは弾けないギターを横目に見ながら、ドラムを叩く行動は高校生までで終わった。
それ以来、「だけで」覚えられない事を身をもって知ってしまったのだが、聞くだけシリーズを知った時に、ドキドキしてしまった。
ズバリというか、掃除が苦手な人や本を開くと眠くなる人にはうってつけの聞くだけだ。

今度だけは出来るかもしれない。聞くだけで英語がペラペラになれる!
当時主流だったCDで6枚くらい送られてきた夢の英会話達成キットは、十数年たった今、まだ数枚しか開封されていない。
聞いていないので、英会話もまだまともにできない。

聞けば出来るはずだ。

さかだち日記 第24日

2018年9月5日

樽の香りだろうがベリーだろうが、翌日は覚えちゃいない

栃木に行った帰りに酒屋に立ち寄った。全国でも有名な酒屋というのでもないのだが、僕のようなグルテンアレルギーで酒飲みなら、もしかしたら知っているかもしれない。
栃木県栃木市の早川酒店に寄って、グルテンフリービール「OMISSION」を買った。
別に飲む予定はないが、以前アマゾンで見かけたので「現地」で調達を試みた。

事前に電話をしておいて正解。酒屋の店主は営業中にほとんど店にはいない。飲食店やローカル食品店への営業と配達で忙しいのだ。
栃木市に初めて足を、というかタイヤを踏み入れた。蔵の街としてPRしているようで街全体の雰囲気は全般的に日本酒のイメージ。
酒屋も日本酒の雰囲気。

電話で頼んでおいたビールと告げるとレジの横に袋に入って用意してあった。
OMISSIONのビールはグルテンフリービールジャンルとしてはグルテン除去ビール。
ビールを作る過程でグルテンを除去するタイプのビールだ。
検査結果はロットごとにHPに公開されているので安心。

買ったはいいが、飲むタミングが難しい。
いつ飲もう、誰と飲もう。

ずいぶん前だが、まだワインをこれほどまで飲んでいなかった頃、バーの常連だった僕はジャックダニエルズを毎週末になると煽っていた。
今ではもう長い付き合いになっているバーアスリで金曜の夜はジャックで酔っていたのだ。いろんな理由があったがそれは後ほど。

バー好きはバーに集まる。当然の事だがイケてる女性経営者もバーに集まる。
ウィスキー系が好きな連中が集まると、プレミアムウィスキーの話題で盛り上がる。
丁度ジャパニーズウィスキーが世界的に注目を集めるようになった時期、酒好きなオーナーが、酒好きにしか響かないナイスアイディアを思いつく。
「一人1万円ずつ出し合って例のプレミアムウィスキーを10人で楽しもう」
いくつものアイディアを提示されたが、儲けなしのプランは今回が初めてだ。
「いいね~。やろうやろう」
まだ、この関東のラストフロンティア高崎に出戻り移住していない、東京在住だった僕の役目は、参加することに加えて、事前に新宿のハンズでメスシリンダーとピペット(スポイト)を調達してくるお使いだ。

メスシリンダーは当然のことながら750mlを10等分するための計測機器。ピペットはウィスキーボトルからきっちり等分できるように微調整が必要だとなったからだ。
どちらも高精度が要求されるので、ガラス製のお高めなものを調達。
バーのオーナーはウィスキーテイスティング用の定番グラスを10脚用意。
いつにない張り切りように二人は盛り上がっていた。
盛り上がると、尋常ではない位に細かい点が気になる二人。
プレミアムウィスキー調達ひと月前から、空調の温度やトイレのお香をいつから排除するだとか、全く無計画でジャックをストレートで3杯ひっかけた冴えわたる頭脳で思いつくものすべてを話し合う。そして繰り返す。

酔っ払いが集まった当日、いつもはビールやら泡やらを引っかけて登場するメンバーが、1万円を握りしめて素面でドアを開けカウンターの定位置のスツールに腰を落ち着ける。
雰囲気はモゾモゾしているのに、異様に目が座っている。
早く飲みたいのだ。

酔っ払いの注目の的であるプレミアムウィスキーはカウンターの壁に仕組んだボトル棚の中央に祭られている。もう七福神が吹っ飛ぶくらいに神々しい。
カウンターにテイスティンググラスが10脚並べられ、10万円のプレミアムウィスキーが神棚、いやボトル棚からカウンターに降臨する。
女性4人にオーナを含めた男性6人は、口々に小さな呻き声ともとれる歓声を上げる

さて分配だ。協賛金の見返りはたった75mlのアルコール飲料だ。
僕とオーナーはこの日のために、何度も何度もプレミアムウィスキーに見立てた、空きビンに詰めた水道水をメスシリンダーとピペットでテイスティンググラスに注ぐ練習を重ねたのだ。
カウンターに置かれたプレミアムウィスキーのボトルに間接照明の明かりが注ぐ。酔ってない意識の中で、美意識の表現を知らない脳が一生懸命に称賛の言葉を探す。
見つからない、そう言葉が見つからないのだ。それより早く飲みたいと脳が叫ぶ。
「早く1万円を一気飲みさせろ」そう脳から所在の見当たらない心に強く指令が届く。

練習を重ねた手つきとは思えない落ち着きのない仕草でオーナーがプレミアムウィスキーの封を切る。
今でいう「開封の犠」だろう。
それより早く開けろ、高級ウィスキーのために調達した超精密ガラス製メスシリンダーに注げ。
本人も早く飲みたいのだろう、ピペットの出番がほとんどない位きっちり正確に、テイスティンググラスに75mlの液体が注がれた。

異様に緊張した面持ちで乾杯する、すぐに鼻をグラスに近づける。
香りがする。そうあのシェリー樽の香りだ。
一度も見たことはないが、きっとシェリー樽だ。ところでシェリー酒の工程を知らない。そんなの構うことか、バーボン樽を使っていたとしてもシェリー樽にしておいてほしい。貧相な知識がシェリー樽を求めているのだ。

一気に飲みたい。でもテイスティンググラスの傾きを手首と鼻がしらが邪魔をする。
もう一度香りを嗅ぐ。いい香りだ。
全員が同じように香りを嗅いでは呻き、そして嗅ぐ。その繰り返しだ。
いい加減飽きてきたので、飲む。アルコールだ。ウィスキーだ。
半分飲んで、水で割る。そうすると味わいがわかるとインターネットに書いてあったから全員が水で割って飲む。トワイスアップと言うやつだ。知識はインターネットだ。
30分で飲み終わる。そして貧相な発想の僕はテイスティンググラスにそのままジャックダニエルズを注ぐ。きっと味が変わるはずだ。
じっくり匂いを嗅いで飲み込む。

いつもの味だ。

そうやって1万円を大切にしていた頃が懐かしい。
いまでは日常的に数万円のワインを飲んでしまうほど感覚が変化してしまった。
まあ、どっちにしても忘れてしまうので、明日の事を考えよう。


そんな貴重な体験を楽しむバーは
Bar ASLI 

グルテンフリービールも結構うまい
オミッション

何年物だったかも覚えていない

サントリー響

今ではこんなのを普通に飲んでる

クインタレッリ

 

 

 

さかだち日記 第23日

2018年9月4日

酔ってアイディアが生まれる。翌朝忘れる。

友人たちがイタリアから7日間の旅を終えて帰国した。
ひとりはワインショップを営む友人で、もう一人はイタリアンワインバーのオーナー。
二人とも仕事がらみのイタリア旅行。ビジネストリップだ。

一般的なビジネスと大きく違うのは、行く先々でワインを飲まなければならない。
そう、仕入れや販売をしている醸造元を巡って、土地の文化的気質や土壌、醸造所のインサイドストーリーなどの知識や雰囲気を仕入れてくる。
仕入れとなると何かを購入するように思えるが、ワインに限らず決定に困った時、それぞれ出来上がるまでの工程やその土地の持つ雰囲気を身近に感じると、それを選ぶ。そのためには現地に行って雰囲気を味わって伝える。そうすると価値を保ったまま売れるのだ。

いつも飲んでいたワイナリーの話が聞きたくて、すぐにでも会いたいのだが、帰国してから叶っていない。
僕がワインを飲まない限りは会う機会がほとんどない。
さかだちは弊害もあるんだな。まあ、雪が降れば会えるか。

イタリア本国には一度も足を踏み入れてはいないが、一度だけ本場のイタリアを味わったことがある。
長い休みにニューヨークに行った時、バレエダンサーと映画のプロモーター会社のマネージャーが、当時はやっていたルームシェアをしている小さなアパートに一週間ほど寝泊まりしていた。
今思うと結構有名な二人にはお互いに彼がいて、何故かそこに男の僕が泊まらせてもらっていた。日曜日には三人してグリーンマーケットで買い物をしたり、水曜日あたりにアパートの屋上でワインを飲みながら、おしゃべりしたりと、今思い返しても楽しい一週間だった。

平日の昼間は二人ともトレーニングや会社に行っていたので、僕は美術館や自由の女神とかの一般的な観光名所を巡っていた。

メトロポリタン美術館を二日連続で巡って疲れたので、セントラルパークの動物園近くで休んでいると、黒い巻き髪で赤いワンピースを着た女性が困ったようなそぶりでこちらを見ていた。
僕は、にこやかに挨拶して他愛もない話を始めると、どうやら僕に負けず劣らず英語が訛っている。イタリアーノイングリッシュだ。
顔立ちもはっきりしていて整っている。横から見た鼻のシルエットが僕好み。背の高さは165センチ位で細身。
アメリカの友人二人は高身長で細身。低い方で175センチだから高い方だ。
そんな黒髪で巻き髪の彼女は、やはり親戚を頼ってアメリカ旅行をしているそうだ。

ちょうど昼過ぎだったので一緒に中華料理でも食べようかと話したら、彼女が持ってきたランチを一緒に食べることになった。
プロシュットとチーズをバゲットに挟み込んだシンプルなランチと、歩道で買ったコーヒー二つ。バゲットがすこぶる美味い。コーヒーは薄いがセントラルパークでのんびりランチができるなんて旅は不思議だ。

お互いに訛った英語で片言のコミュニケーション。旅先では気分が高揚しやすいけれどこれだけの整った顔立ちの女性と話せるなんて、日常だとしても落ち着いてなんかいられない。
二人で歩くうちに自然と手を触れあって肩の体温まで感じられる距離になっていた。
そうこうしているうちに、リトルイタリーの叔父さんのところまで一緒に行こうと言うのでついていく。
叔父さんはパン屋。なるほど美味しいバゲットはここだったのか。
リトルイタリーは初めてだったので、見るものすべてがマフィア関連に見えてしまう。
叔父さんだって本当はパン屋の裏で、粉まみれのドル札束を数えているかもしれない。
きっとそうだ。

近くのチャイナタウンまで二人で歩いて行く。もうすっかり付き合っている気分だ。
彼女が手を上げて指をさす。
「Ryu! あれがマンハッタンブリッジよ!」
彼女の脇から、くるくる巻き上がった毛がのぞかせた。

髪の毛と同じ巻き髪なんだ。

どうやら友人の二人はカデルボスコに行ったらしい。


これがあの時代に合ったら付き合ってたかも