さかだち日記 第7日目 週の総括

2018年8月19日

酒が無くとも魅力的。

さかだち一週間が過ぎた。
ワインを飲みたい欲求や、焼鳥屋の魅力的な雰囲気が枯渇してすぐに飲んじゃうのかと思ったけど、結構続くもんだ。

グルテンアレルギーでもあるので、食生活はすっかりオーガニックやビーガンのような強いこだわりを持った健康族と勘違いされそうだ。
そんなこだわりは毛頭ない。ハンバーガーだって食べたいし、酔った勢いで豚骨ラーメンだって焼き芋だって食べたい。トランス脂肪酸が入っているかなんて気にする余地もなく食べていた。
グルテンアレルギーが発覚する前の話だが、泥酔した夜の帰り道は豚骨チャーシューラーメンを食べ、ついでにコンビニのカツカレー弁当とサンドイッチを買って自宅で食べて、翌朝満腹感とニンニク臭で起きる。こんな日常を繰り返していた。
蕁麻疹、発熱、下痢、飛行機に乗ると左目の充血、喘息のような咳が数カ月続き挙句の果てに片頭痛だ。
あることでグルテン不耐性を知り、ジョコビッチの本を手に取って熟読。自分がグルテンアレルギーの症状そのものだと知ってグルテンを摂取しない生活を始めたら少しずつ症状が改善して、今は蕁麻疹が時々出る程度まで治まった。
何度も言うけれど、健康オタクでもネット情報を鵜呑みにして非科学的なものを信じるほど浅はかな考えは持たない。
バターはフェッドバターではない、普通のバターだし、コーヒーに入れるなんて気持ち悪いことはしていない。普通にKALDIのコーヒーだ。
簡単に言うと徹底的に自分で調べて結論付けたい性格なので、調べだすと時間が過ぎてもったいないからしないだけだ。
さて、グルテンフリー、ノンアル生活という一見、健康オタクしか入らない領域で一週間を過ごした。
どう変わったのか、何が変わらないのか。じっくり考えてみようと思う。

行動できる時間があきらかに増えた。


酒を飲まないで夜を迎える。ベッドに入るまで散歩だって読書だってブログだって書ける。これには驚いた。
アルコール寄り添い生活では毎夕、6時には飲み始めていた。今年の灼熱を乗り切るためにライムとミント、ラムを買い込みモヒートを作ってはクソ熱い空に乾杯。
ミックスナッツをつまみにモヒート数杯をがぶ飲みしてアイドリング完了。
暑い夏にエンジンもヒートアップ気味だったのだろう。
軽くシャワーを浴びて、駅前のワインバーに散歩がてら入店。
気分直しに泡。フランチャコルタのカデルボスコがお気に入り。
泡2杯、暑い夏は白LE VIGNE DI-ZAMOがリーズナブルで飲みやすい。
最後にミアーニあたりの赤1本かバイザグラスで3杯程度。そして次の店へ。気が付くとベッドで寝ている。誰も止める人なんかいない。喉が渇く、夜中の2時に目が覚める。そこから1時間おきに水を飲む。
酒を飲まない生活になると、6時を過ぎようが日が沈もうが正気のままだ。
何でもやりたい放題。
仕事に使うテキストを深く書き込んだり、3Dのテキストを新たに作ったりしてもいいし、夜、自動車で足利の屋台のコーヒー屋アラジンにだって気軽に行ける。
羽田空港の夜景だって楽しめるのだ。

睡眠が続く。


ノンアルでベッドに入ると、朝まで起きない。
普通のことかもしれないが、気が付くと朝5時だ。
毎晩、歯ぎしり対策のマウスピースを口の中に突っ込んで寝ているのだけれど、起き抜けのうわ顎の筋肉痛が無くなった。酒を飲むと、そんなに強く歯ぎしりしていたのかと思うと正直怖くなった。

食事の量が減った


僕はとにかく食べる。自宅で手巻き寿司をするなら少なくとも五合の米を炊かないと足らない。一人前でその量だ。
酩酊した状態だともっと恐ろしいことになる。ラーメン大盛、コンビニ弁当二つは食べていた。しかもその前にパスタを食べているのだ。
グルテンアレルギーを発症するので基本は自炊。
サラダを作るにしたってドレッシングから自分で作る。蕎麦が食べたくなったら200km離れた静岡のそば半に行くか、自分でそばつゆから作るかの二択。
どっちにしても、食べ残しはなかったのだけれど、今はアルコール時代の半分からちょっと程度で満足する。アルコールを摂ると食欲が増進するのはウソではなさそうだ。

体重が減る傾向に


8月に入ってからスノーシーズンに向けて無酸素系と有酸素系のトレーニングを始めている。もともと人並外れた瞬発力のある筋肉量が多いので、負荷の高いトレーニングはごく少な目。スロー腹筋20回3セット。シリコーンゴムでの上半身トレーニング、スロースクワット30回2セット程度で筋肉が大きくなってしまう。
週に3回程度のゴルフラウンドの内1回は晴山ゴルフ場でフルセットのゴルフバッグを担いてラウンド。散歩代わりにちょうどいい。
アルコール時代はこれでも全く体重が減少しない。気が付くと2キロも増加していることだって普通にある。
ノンアル1週間、二日目に体重が減った。何もしていないのに体重が減ったのは初体験。三日目もそれが続き、知らずと2.5㎏ほど減った。
今回のシーズン前トレーニングは減量もするので糖質オフダイエットをしていたのだが、全くと言っていいほど減らなくて困っていた。無制限にノングルテンアルコールを飲んでいたのが理由なのかは分からない。
正直言って嬉しい。憧れは細マッチョだ。

変わらなかった事
肌がきれいにはなっていない。


ググってみたら、酒をやめると肌がきれいになったりするらしいが、一週間経過した現在、そんな魅力的な変化は兆候ですら感じない。以前と変わらぬ、荒れて日焼けした肌が健在だ。
敏感にはなっているようだ。先週、さがだちを始めた二日目は新潟の瀬波温泉のビーチで遊んだ。日焼けに対するヒリヒリ感がいつもより強く感じた。まあ根拠はない。

頭はよくなっていない


実際、アルコールの過剰摂取で海馬が縮小することは酒好きには常識。だと思う。
アルコールが適量だろうが大量だろうが関係なく、酒を飲めば脳は縮小するのだ。
一週間でどれだけ脳の縮小が止まったのか、それともシナプスの数が増えてより妄想力がパワーアップしたのかは分からないが、いまだにブラックホールの淵で、重力変化が起きている根拠を計算式を用いて証明ができない自分の思考を考えると、頭はよくなっていない。少なくとも博士とは呼ばれてはいない。

禁断症状


2000年の夏。7月1日。それまで一日20本以上吸っていたタバコをやめた。
一週間目。毎晩のようにのどの渇きと共にうなされては起き、水をがぶ飲みしてタバコを吸いたい欲求を紛らせた。1カ月経過後、毎晩タバコを吸う夢を見ては後悔しながら起床した。半年後、居酒屋で先輩たちが美味しそうに吸うたばこの煙が恋しくて仕方がなかった。
さかだちには激しい禁断症状なんてないのか?
それともこれから訪れるビッグウェーブ前、静かな引き波の砂浜にたたずんでいるだけなのか?
飲みたい衝動に駆られて、結局ダメだったのね。肝心なところでパット外すのね、なんて言われずに済んでいる。
それより、夜が楽しみになっている。
読みたい本がないから読書はしないけれど、衰えた語彙力を補おうと色々な本を物色したり、もともと好きな料理も新しいグルテンフリーレシピを作っては調理したりと、たった一週間だけも楽しみが増えている。秋に向けて編み物でも始めそうな勢いだ。

まだ一週間だけれど、どうやら酒の無い人生も悲観的な部分は全くなく、今まで思っていた酒とバラの人生は、ソーダストリームの炭酸水でも遜色なさそうだと気付き始めた。
いつまで続くかは分からないし、頑なに断酒を続けようとも思っていない。
あの雰囲気を酒と共に楽しみたいし、いくつかストックしてあるワインだって僕を待っているに違いない。ワインを通じて知り合った友人たちとも、馬鹿みたいに騒ぎたい。

さかだち日記は明日も続く。

日記に登場したワイン

フランチャコルタ ブリュット キュヴェプレステージカデルボスコ



LE VIGNE DI-ZAMO レ ヴィーニェ ディ ザモ


ミアーニ ロッソ